
地磯を後にして元町港に戻って来たおやじ達。
時刻は22:00
キヨーノ
「いや~誰も居ないね・・・
ナイツの元町は全然人気ないね~
今度はオイラから場所を確保してもいいですか?
俺は元町はここがいいな!」
名人
「どうぞ!どうぞ!好きにやって下さい。
俺はもうぴったくキヨーノをマークしますから」
キヨーノ
「近いね~
ずいぶん近くに来るね~」
誰も居ない貸切の堤防なのに何故か名人はキヨーノの釣り座から
2メートルしか離れない。完全密着マーク!!
キヨーノ
「ずいぶんニアだね~」
名人
「もう、ここからはピッタリマークして
潰しに掛かりますよー!
巻頭だけは取らせませんよ・・・」
ヨシミン
「あの~俺はここにしますよ」
また一番に仕掛けを作って投げるキヨーノ。
でも風が左から吹いていてなかなか飛距離が出ない。
キヨーノ
「マジかよ~
あの距離じゃ全然勝負にならないな~」
名人
「キヨーノさん、あそこじゃサカナは釣れないよ。
私は元町知ってますから!開拓したのは自分ですから!」
キヨーノ
「あら~またずいぶん上から目線でくるね~
なんですかー 元町は俺の庭だからそこじゃ釣れないよって?
感じ悪いね~
名人、本気だね~
巻頭取りたいんだね~」
名人
「え~
え~、私は本気ですよ!
元町に関しては誰にも負けないですよ!
なにしろここは100Mラインからサカナのポイントですから。
あなたの距離感では釣れませんよ!」
ヨシミン
「あの~自分は全く勝負にならないってことですか?」
名人
「え~
え~
厳しいですよこのポイントは!
でも最近、開花したよしみさんが出てくれば勝負になるかもな~」
名人は一人、100M先のポイントに仕掛けを投入しアタリを待つ。
全く距離が出ない事でキヨーノは3号竿に見切りを付け
グレーダー4号5.7Mの竿にチェンジする事にした!
30分後ロッドを組み替えてようやく釣り開始。
キヨーノ
「さて、仕掛けも重い15号を投げるから
さっきよりは距離が出るでしょう!」
力いっぱい投げた!
せいや~!!!
ポシャン。
名人
「80M~!
さっきと同じやん!!!」
竿を変えても距離が全く変わらなかった・・・
愕然とするキヨーノ。。。
キヨーノ
「これはイカン・・・
まったく変わっていない。。。
もうこうなったら仕方ない。
一番回るリールに変えるしかない・・・」
3号竿に付けていたリールを4号竿に付け替えると言う
また気の遠くなる作業を始めた。
30分後、ようやく万全のタックルに仕上げた。
これで飛ばなきゃ今日は惨敗覚悟です。
その間、1時間。
名人に当たりはゼロ。
キヨーノもまだチャンスがある!
再度投げる!
せいや~!!!
さっきより10M伸びた。
でもまだ遠い。。。

名人
「さっきよりはいいけど、どうやろか・・・
ギリギリアウトやっ~!!!」
キヨーノ
「マジかよ~・・・
もう限界!!
昼間っから動いてさっき磯に行って帰って
もう体力も限界。
フルキャストする体力もギリギリ・・・」
はい、サカナ~!!!
名人の仕掛けに魚が掛かった!
「はい、サカナですよ~
これはお友達でしょ!
コツコツと言ってますよ!
いや~この感触久しぶりやな~
ここのザキはデカいからな~
一匹一匹が釣りごたえがあるんよ~」
キヨーノ
「まじで?ザキなの?ザキだったら俺も真剣に釣りするよ」
ゆっくり口を切らないよう巻き上げる名人。
「ザキでしょ~間違いなく。
これはザキですよ!!!
んっ、んっ、、、んん。。。
あれっ、あれれ?横に走ったぞ!」
近づいて来たら魚が横に走り出した。
ザキの挙動ではない。
これはもしや?サバ?
そうです。
サバが釣れたんです・・・
キヨーノ
「あの~名人さん?ザキじゃないですよ!
あぁーそうか!今日からお友達はサバにしたんだっけね~!!!」
名人
「・・・」
「・・・」
「何も言えね~」
ヨシミン
「私も届きません。。。
まずは腹ごしらえしませんか?
いま湯を沸かしますよ!サバじゃ釣ってもね~」
キヨーノ
「そうね、ラーメンでも食べようか!
サバだしね。ザキだったら頑張るけど、
ここは名人にザキが釣れ始めたら
俺たちも始動すればいいよね。
もうここは名人任せにしよう!」
名人
「あんたらも釣りしなさいよ!
俺ばっかり任せないで!」
ヨシミン&キヨーノは暖かいラーメンを食べて
体も温まったら猛烈な睡魔がやってきた。。。
キヨーノ
「あの~ちょっと横になるわ!
体力の回復させないとダメだから」
名人
「また~俺だけに釣りさせる気かえ~
どうせヨシミンも寝るんやろー!」
ヨシミン
「もちろんです。もう自分は寝ますよー」
そうしてキヨーノとヨシミンは車に潜り込み
さっさと寝てしまった。
時刻は0:30
ここから名人の一人旅が始まりる。
いままでアタリが全く無かった。
もうここは元町っく天国じゃ無くなったのか?
さっきキヨーノが不吉な事を言ってたけど
俺は信じたい!まだまだ魚が居る事を!!
信じ続けて2時間半。
コマセを撒き続けて2時間半。
耕し続けて2時間半。
その時がやってきた!
ちょうど風向きが変わった午前1:50
ようやく背中から風が吹くナライ(北東)の風が吹いた。
仕掛けがさっき以上に飛び、思い通りのポイントに仕掛けが入った。
さらに早かった潮がトロトロに変わった。
「サカナ~!!!
今のはサカナでしょ!
完全にウキが入ったでー!」
心の中で1人つぶやく名人。
ラインの先では魚がゴンゴンと言ってる。
お友達や!絶対ザキや!
思った通り、体格のいいイサキ釣れた!
「やっぱりおったでー
ザキはおるでー
あの二人が寝てるうちに釣りまくってやるで!」
その15分後。
同じ場所でまたウキが入った!
「またサカナ~
さっきと一緒!ザキやっ!
さっきより型が上がってきたで~
やっぱり元町は天国やっ!」
さらに20分後。
とんでもない事が起こる。
キヨーノとよしみんは完全に爆睡。
この間の出来事は全く知らない。
名人の流していたウキが入った!
条件反射的に合わせる!
一瞬魚が乗った!
「強いアタリが手元に来た!
ゴツン!!!おっーデケ~っ!
プツン・・・」
ハリス5号が秒殺で切られた・・・
「えっ、何いまの?
サカナだよな~?
まさか根がかり?
いやいや、間違いなく一瞬乗った気がした・・・」
半信半疑。
でも魚だと思う。
手が震える。
念のため針を交換し再度仕掛けを流した。
30分後。
強烈なアタリが名人の仕掛けに掛かった。
ウキがすとん!と入る。
名人が合わせる。
竿をアオル。
乗った?
軽くなった・・・
「えっ?また?
どしたん?何がおこってるん?」
仕掛けを撒き上げると今度は針が曲がっていた。
「え~っ!これはタマンやっ!絶対タマンの仕業や!!!
おるんや、ここにはおる。でつけえタマンがおるでー
これは釣らなーダメや!あの二人が寝てる間に釣らないと
そして勝負を決めないとダメや!!!」
針をもう一度結び直し。
完璧な状態で仕掛けを投入。
誰一人居ない堤防に1人。
車の中では二人ともデスってる。
1人気合が入った名人
30分後に同じようなアタリが来た!!!
「来た~!!!
間違いない、来た~
乗ったで~!!!
これは絶対取るで~!!!」
100M沖からゆっくり撒いてくる。
ゴンゴンと叩く&重い引き。
「タモ~!!!
キヨちゃん~!!!
タモたのもう~!!!
タモたのもう~!!!」
キヨーノは夢の中で名人の叫び声を聞いた。
こちらも釣り師の条件反射で起きる。
車の窓から名人の竿が思いっきり曲がる後ろ姿が見えた!
キヨーノ
「サカナ~!!!
タモ?
デカイの?」
名人
「デカイ!
タモが必要。
頼むからタモ持って来て!!!」
キヨーノ
「わかったでー!」
まだ寝ぼけている頭をフリフリしながら
タモを片手に近づいてみる。
よしみんはまだ熟睡。
名人の竿が曲がる、曲がる。
「タマンやと思うんよ!
さっき二回切られたんよ!」
「まじで?
タマンなの?」
「だと思うんよー」
あと30M。
ようやくウキが見えてきた。
「なんや重て~
これなんだろう?サカナか?」
撒いてくる道中で異変を感じた名人
サカナっぽくない。
あれ?もしかして?
ライトに照らされて浮かんできた獲物は。
ヒラヒラと空飛ぶタコのように海に浮かんで寄って来た。
思いっきり残念なサカナ。
「エイ~!!!
エイやっ!!!」
マジかよエイかよ・・・
絶対タマンと思ったのに・・・
マジか~・・・
キヨーノ
「タマンじゃないじゃん!」
名人
「いやいや、この前に二回切られてるんよ!
一回はプツン、二度目は針が曲がってよー」
キヨーノ
「ほんとに?」
ヨシミンもこの騒ぎに目を覚まして起きてきた。
「サカナですか?元気っすね~
あらエイじゃないすか・・・」
なんだよ~エイかよ~
タマンやねんかえ~
キヨーノ
「タマン居るの?それより他のサカナ釣れたの?
クーラー見ていい?あら!!!
アララ!!!釣れてるじゃん
それも島サイズのザキが3匹も!!!!
あらら~元町はまだ天国だったんだ~
なんだよ起こしてよ!ズルいね~」
名人
「ズルくないでしょ寝てるあんた等が悪いんよ
俺一人に釣りさせて耕したのは俺やからねー
ザキが釣れて強烈な当たりがあったら起こすはずねーやん
俺が釣るまで起こさないよ!」
キヨーノ
「いや~お蔭で目が覚めて来たよ!
なにタマンっぽいアタリがあったって?
よし分かった!俺も釣る。今から釣るよ!」
時刻は3:00
三時間近く仮眠を取ってしまったキヨーノとヨシミン
着実にザキを釣っている名人にこの時点で負けている。
キヨーノ
「俺はタマンが釣りたい!
以前にタマン釣った場所ってどこだっけ?」
ヨシミン
「もっとこっちでしたよ!
前に釣った時は!」
キヨーノ
「えっほんと?ここじゃないの?
もっと向こう?そうなんだ!
わかったじゃー移動するよ!もうここで勝負やっ!」
名人
「寝てていいよ!起きて来なくて
俺がしっかり釣るから寝てていいでー
もう夜明けも近いし、夜が明ける前に岡田港へ移動するんやろー」
キヨーノ
「何を言ってるんですか!
元町で結果出さなきゃ岡田なんか行かないよ!
今日は俺が巻頭なんだから元町で納得するまで動かんで!」
なんだよ~
マジで寝てていいのに。
エイ如きで起こさなきゃよかったな~
キヨーノが釣り始めると場が乱されるな~
(名人、心の声)
キヨーノも目が覚めて釣り開始!
ヨシミンはもう一度車中に戻り寝始めた!
キヨーノ
「なに?本当に切られたの?
ハリス何号?5号が切られた?
じゃ4号の俺はダメだな~
5号に変えるよ!」
キヨーノもハリスを5号に変えて釣り始めた!
完全に昔のタマンポイントに仕掛けを投入。
名人に飛距離では及ばないが、なんとなく以前釣ったポイントに仕掛けを入れる。
ウキが入った!
キヨーノ
「サカナ~!
やっぱり居るね~
なんだろう!あんまり引かないな~」
名人
「さかな?マジかよ!
またカメラ回さないとだよ!」
釣れた魚はオジサン。。。

キヨーノ
「まぁ~いいよ!
まずアタリを感じる事が出来たから
居るんだねやっぱりここに魚が!」
名人
「おるでー元町は裏切らんかったでー
はい、サカナ~!!!」
なに?名人さかな?
あらゴンゴン言ってるね~
キヨーノ
「なに?ゴンゴン?例のサカナですか?」
名人
「俺はもう言わないよ。
姿見るまでは慎重に行きますよ!
軽口は叩きません!もうあれだけ言われたら言いませんから!」
名人、しっかり島サイズのザキを釣った!
「はい、ザキですよ!
これが元町のザキですよ!
ミッション完了です!!!」

う~ん、
やっぱりザキはあの距離まで飛ばないと喰わないか~
ちょっと不利だな~
(キヨーノの心の声)
キヨーノ仕掛けを投げて置きっぱなしにする。
名人の仕掛けを眺めていた。
その時、
「ジージージーーーーー」
サカナ!
キヨーノの置き竿にサカナらしきアタリが!
急いで竿をあおり合わせを入れる。
名人
「マジかよ!やっぱりキヨーノなの?」
キヨーノ
「サカナだ!!!あれっ
乗ってない?乗ってないよ・・・
なんだ?切られたか?
乗ったと思った瞬間にゴツンで終わったよ」
名人
「俺と一緒や!タマンやで!ハリス何号?
5号?一緒。一瞬で切られたやろー」
キヨーノも名人と同じ体験をした!
「まじかよー一発で切られたよ!
5号もダメ?分かった。じゃ俺は6号まで上げるよ
もうこうなったら博打だよ!喰って来たら儲けもん
イサキは捨てて完全にタマン狙いよ」
名人
「ハリス上げるか?俺はザキも追いたい
5号のままでなんとかするでー」
この判断が後々、運命を分ける。
ようやく深い眠りから覚めがヨシミンも釣りに参加。
よしみん
「みなさん切られたんですか?
えっキヨーノさんも?5号一発?そうですか!
私は4号のままで行きますよ!
どうせ飛ばないし、ザキが掛かったらいいですよね」
そんな無欲なヨシミンに神様は微笑んだ!
ヨシミン釣りを開始して二投目。
「あれっ!魚です!
結構引きますよー!」
「まじで~?よしみんなの?
あら~タマンやん!いいサイズのタマンやん!
アンタに喰ったか?マジかよ~巻頭サイズやん!!!」
ザキより若干大きいタマンを釣ったのはなんとヨシミンだった。
ヨシミン
「ミッション完了でーす!」時刻は5:00。
もう夜が明ける。
明けたらタマンは喰ってこない。
名人
「なんだよーよしみさんが巻頭なの?
このまま行ったらヨシミンかえ~
ダークホースが出て来たな~」
ヨシミン
「私は無欲ですから!殺気が無いんですよ!」
名人
「う~ん、殺気か~
ま~でもキヨーノに巻頭取られるよりはいいか!
ヨシミンの方がいいか!」
キヨーノ
「なんですか?私はまだ諦めないよ!
夜が明けるギリギリまで粘りますよ!
そして夜が明けたら泉津に移動します!」
名人
「えっ、岡田じゃないの?
泉津に行くの?」
「はい、岡田はもうこの時間で行かないと場所が無いので
泉津港に行きます。そして朝から支部長と合流して最後の釣りをする
それまで、ギリギリまでここで粘ります!」
刻々と時間が過ぎる。
名人にもキヨーノにもアタリが無い。
ヨシミンはもう移動の用意をしてすっかり片づけ終わった。
余裕のヨシミン。
名人
「さて、俺も片づけるか!
もうこんなに明るくなってきたらタマンは終わりやでー」
キヨーノ
「あ~、来ないか?最後に一投だけ投げていい?
置き竿で片づけるから」
名人
「もちろんいいですよ!巻頭さんのおっしゃることですから」
キヨーノ最後の一投。
思い通りのポイントに仕掛けが入った。
それで置き竿にしながら片づけ始める。
その五分後。
事件が起こった!
「ジーーーーーーーっ!」
「えっ、サカナやっ!アタリだよ!」
思いっきり後ろに下がりながら合わせを入れる。
「乗った!!!」
「サカナ~っ!最後の最後にサカナ~!!!」
マジかよ!ここでサカナ掛けるか?
急いでカメラを回す名人
「何?マジでサカナなの?タマンか?」
「引く、引くね~タマンでしょう!
おそらくタマンでしょう!タマン臭がします」
疲れ切った体に対して相手は元気一杯。
ガンガン引く。
リールからラインが撒けない。
疲れてるから思い通りにやり取り出来ない。
それでもなんとか寄せてきた!
ヨシミン
「タモ準備OKです!
あっ、タマンっすねー」
タマンが釣れた!
最後の最後にタマンが釣れた!
「ミッション完了です!!!」

名人
「え~、こんな事あるんかえ~
ヨシミン巻頭でいいやん!
どしたん?またキヨーノが美味しい所もっていきやがった!!!」
悔しい~(名人、心の叫び)
はい、もう一度
ミッション完了です!!!

夜が完全に明けた。
元町のサードラウンドが終了!
ここもキヨーノが最後に逆転勝利!
そして朝方から昼までの最終ラストラウンドの釣り場
泉津へ移動する。昨日はデカいアタリを目の前で見ている。
最後の最後にまたドラマが有るのだろうか?
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